「父へ」
一、父へ
いつも私の 味方でいてくれる
「お前ががんばる 姿を見るのが
一番うれしい」って
慣れないメールへの 私からの返事
手紙にしてみました
二、幼い頃は 泣き虫で
いつも私を 抱きしめてくれた
大きくて暖かな その手のぬくもり
いつの間にか 泣きやんでた
幼稚園の 発表会
熱を出したけど 絶対行きたくて
毛布に包まれて 背中におぶわれて
大きな背中が 気持ちよかった
三、入学式は 雨だったね
桜の花びらは 地面に落ちてても
めったに見られない ネクタイと背広姿
何だかちょっぴり おかしかったよ
小学校から 中学へ
素直に返事が 出来なくなってきて
当たり前な事だと わかってはいたけれど
なぜだかすべてが うるさくなった
四、高校生に なってからは
家に帰るのが 遅くなったから
交わす言葉も 急に少なくなって
もっと話を すれば良かった
一人暮らしを 始めたのは
大学二年の 秋になってから
毎月家に帰る 約束守れずごめんね
心配しないで 私 大丈夫
五、社会に出て 今さらながら
言われていた事 やっとわかった
自分がどれほど、大切に守られてたか
思い通りに なんかならない
つき合い始めて 半年たって
初めて彼を 家に連れていった
「良かったな」と笑いながら こっちに背中向けて
涙ぬぐったの ちゃんと見てたよ
六、そしてこの日を 迎えました
まだ自慢の娘には なれないけど
照れくさいのがまんして この言葉贈ります
今日まで 本当に ありがとう
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「娘へ」
一、娘へ
いつもお前を 見守っているよ
自分の選んだ 道を進む
姿がまぶしくて
慣れないメールへの お前からの返事
とてもうれしかった
二、幼い頃は 泣き虫で
いつも親のそばを 離れなかった
小さくてやわらかな その手のぬくもり
笑顔見るだけで 幸せだった
幼稚園に 通い始めて
毎朝行くのが いやだと言って泣いた
今日は休みますと 先生に言おうねと
連れて行かれ バスに乗せられた
三、入学式は 雨だったね
体育館の椅子に ちょこんと座って
小さな不安隠して 前をみつめる姿
何だかちょっぴり 誇らしかった
小学校から 中学へ
いじめにあって 悩んでいたのに
小さな胸痛めて 一人で闘い抜いた
もっと早く 気づくべきだった
四、高校生に なってからは
家にいる時間が 短くなって
何を考えて 何を悩んでいるのか
ちゃんと話を して欲しかった
一人暮らしを 言い出したのは
大学二年の 秋になってから
もちろん信じてるよ 信じてはいるけれど
心配な気持ち わかって欲しい
五、社会に出て 働き出して
自分一人では 生きて行けない事
多くの人に助けられ 支えられている事
これから本当に わかって行くよ
ある日突然 見知らぬ男を
連れて来られて 彼だと言われても
いつかこんな日が来ると 覚悟はしていても
寂しいに 決まってんだろ!
六、そしてこの日を 迎えました
もう幸せ祈るしか できないけど
たとえいくつになっても どこに居てもお前は
私の 自慢の 娘です
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