Home What's New Yesterday&Today Lesson room My collection Link
微分学 基本 「微分」の「微」はどういう意味でしょうか.「微少」「微笑」「微か(かすか)」という字に使われています.「ほんの少し」という意味で使われます.そして「分」は「分ける(わける)」という意味なので,「微分」は「ほんの少しに分ける」という意味なのです.
極限の記号 リミット「lim」という記号がでてきます.本来は「limit」という綴りですが,数学の世界ではサイン,コサイン,タンジェント,ログと同様に頭3文字を用いて数学の記号としています.またこれらの記号は「筆記体で書く」事になっています.教科書では筆記体では書かれていませんが,これは,数学の記号として,一つの固まりとして表す必要があるのです.
極限 極限の計算は以外と簡単です.単に代入すればよいのですから.しかしその本質は以外と難しい.「単なる代入」ではないのです.高校では「aに,ごく近い数を代入しなさい」という形で定義されます.この「ごく近い数」というのがかなり曖昧な表現ですが,たとえば「3のごく近い数」とは「2.9999」とか「3.000001」といった数の集合体です.しかしこれでは大学では通用しません.大学ではε-δ方式という方法で定義されますが,高校ではそこまで要求されません.ポイントはその数そのものを代入するのではなくごく近い数の集合体を代入するということです.
平均変化率 時間,距離,速度の関係は小学校でもでてきます.たとえば箱根駅伝では全走行距離,全経過時間はわかっていますので,トータル的な平均の速度を出すことができます.これが平均変化率なのです.数学の世界ではグラフ上の「2点間の傾き」のことを平均変化率といいます.
変化率 車のスピードメーターを見ると「今時速60kmだ」とかで瞬間のスピードを認識することができます.しかし速度はかかった時間と走行距離があって初めてわかるもの.たとえばどんなにスピードを出している車でも,写真に撮れば停車している車と区別が付きません.写真は動きませんからね.こうして考えると,「瞬間のスピード」を求めるのはとても難しい.これをどうやって論理構成するかが問題になります.ここまで説明すれば,みなさんはわかってきたかと思いますが,そうです!「極限」と「平均変化率」を結合させて定義するのです.スピードを計算するにはどうしても「時間経過」が必要なのです.この時間経過を最小まで縮めてその時点のスピードを計算することにします.
数学の世界ではグラフ上の点における接線の傾きになります.
微分 変化率は,ある時点を設定して具体的に瞬間のスピード(接線の傾き)を求めます.微分はそれを一般化してどの時点でも瞬間のスピードを求められるようにしたのが微分の計算なのです.数学の世界ではどのxに対しても接線の傾きが求められるようにしたものをいい,「導関数」ともいいます.
整関数の微分の計算は定義に基づいて計算すると,とても単純な公式を導くことができます.この公式はすぐに暗記できますのでみなさんしっかり覚えてください.